目次
【障害者総合支援法】(社会の理解)
~いつも自由で新しい人生を~
日本のどこかの介護学園
学園長の日本のどこかの介護福祉士
通称:ぼっち先生wです。
今夜のメニューは、
【障害者総合支援法】(社会の理解)
となっております。
動画下の確認問題にチャレンジしてにゃん♪
【障害者総合支援法】
(社会の理解)
https://youtu.be/t2EVmy69VH4
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【障害者総合支援法】
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今回は「障害者総合支援法」について
となっております。
ざっくり前半と後半で、
○障害者総合支援法創設までの歴史、
○障害者自立支援法から障害者総合支援法への改善点、
との2部構成となっています。
後半では最新の試験問題から、
「障害者総合支援法での障害者の定義」
「障害支援区分を判定する組織」
についての過去問を一緒に解いていきます。
障害者支援法は、介護福祉士試験では出題頻度が高く、
確認したいポイントが、
今回1回ではおさまりきれませんでした。
障害者総合支援法の現在までの歴史的な流れと、
障害者自立支援法から障害者総合支援法への改善点について
主に学んでいきます。
障害者総合支援法については、
介護福祉士試験においては出題頻度が高いので、
今回だけではお伝えきれない部分もありますが、
介護福祉士試験対策に役立つ内容を
盛り込むように最新の過去問も交えてやっていきますので
ぜひ最後までお楽しみください。
障害者総合支援法とは?
障害者総合支援法の
正式な法律名は
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」
とのことです。
長いよ!
名称にどんだけ内容を
ぶち込んでんだよ!
と、個人的には思います。
「日本のどこかの介護福祉士」も
長い名称だと思っていましたが、
「日本のどこかの事業所で介護にかかわる仕事をしている介護福祉士の資格を持っている陰キャのサラリーマン」
の略なので、かわいいもんですよねw
ちなみにこの長い法律名は、
覚える必要はないと思います。
なぜならば、障害者総合支援法の試験問題には、注釈で、
(注)「障害者総合支援法」とは、
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」
のことである。
と記載されているからです。
でも「障害者総合支援法」を
わかりやすくざっくり
あらわしている名称だとも思います。
もう一度言います。
障害者総合支援法は、
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」
なんです。
障害福祉施策の流れ(歴史)
障害者総合支援法がなぜ制定されたのか?
かなりざっくり歴史を含めて確認をします。
ざっくり年表にすると
下記のとおりです。
↓↓↓
措置制度
↓ 行政がサービス決定
↓
支援費制度(平成15年制定)
↓ ノーマライゼーション
↓ 障害者自らサービス選択&契約
↓
障害者自立支援法(平成17年制定)
↓ 財政不足問題等を改正
↓
障害者総合支援法
障害児については児童福祉法を根拠法に整理など
上記年表の内容を
順番に1つずつ確認していきます。
○措置制度
○措置制度
まずは措置制度です。
もともと戦後、日本の社会福祉には
措置制度があり、障害者に対して、
行政がサービス内容を決定していました。
措置制度とは、障害者に対し、
行政が利用できるサービスの
内容を決定する制度となります。
この頃は、障害者の方は
自分でサービスなどを決定できなかった
ということです。
○支援費制度
○支援費制度
措置制度のあとは、支援費制度が登場します。
平成15年(2003年)4月に
ノーマライゼーションの考えに基づいて、
支援費制度が制定されます。
ノーマライゼーションとは、
ざっくり簡単に言うと、
「心身の障害がある人もない人も
変わらず生活できるようにしよう」
という考え方です。
その考え方に基づいて
支援費制度が制定されます。
支援費制度というのは、
障害者が自らサービスを選択し、
事業者との対等な関係に基づき、
契約によりサービスを利用する制度です。
これまでの行政側に決定権がある措置制度が改められ、
サービスの利用者が、自らの意志で
利用するサービスについて選択できる制度に
方向転換したということになります。
○障害者自立支援法
○障害者自立支援法
支援費制度の改正法として障害者自立支援法が登場します。
平成17年(2005年)には障害者自立支援法というのが成立され、
平成18年度(2006年度)からはその障害者自立支援法が施行されます。
支援費制度には、
・障害種別ごとに縦割りでサービスが提供されており、使いづらい仕組みとなっている。
・地方自治体によっては、サービスの提供体制が不十分であり、必要とする人々すべてにサービスが行き届いていない。
・サービス利用による財源不足で、費用負担の財源を確保することが困難。
などの問題がありました。
そこで支援費制度の改正法として、
平成18年(2006年)年度からは
障害者自立支援法が施行されました。
○障害者総合支援法
○障害者総合支援法
ここでやっと「障害者総合支援法」が出てきます。
平成24年(2012年)の改正によって
平成25年(2013年)4月1日から、
障害者自立支援法を一部改正する形で
障害者総合支援法が施行されます。
障害者(児)を権利の主体と位置づけた基本理念を定め、
制度の谷間を埋めるために障害児については
児童福祉法を根拠法に整理しなおすとともに、
難病を対象とするなどの改正を行い、
平成25年4月に障害者総合支援法に
法律の題名も変更されて施行されました。
ちなみに全国社会福祉協議会のパンフレット
(障害福祉サービスの利用について2018年4月版)
https://www.mhlw.go.jp/tenji/dl/file01-01.pdf
には、
「法律の題名は障害者総合支援法に変更されましたが、
法律の基本的な構造は障害者自立支援法と同じです。」
と記載されていました。
「題名は変更されましたが、基本的な構造は同じです」
ってことですが、なんかウケますよね。
個人的にはこの流れだけ見ると、なにやってんの?
って思ってしましますが、意味もなく名前だけ変えたわけではないようです。
「障害者自立支援法」と 「障害者総合支援法」 の違い
「障害者自立支援法」と
「障害者総合支援法」
の違いをもう少し深くみていきます。
どこがどう変わったのか?
改善されたポイントは4つです。
1、 基本理念の創設
2、 障害者の定義の拡大
3、 障害程度区分から障害支援区分へ
4、 重度訪問介護の対象者を拡大
となっております。
1つずつ見ていきます。
○基本理念の創設
○基本理念の創設
まず1つ目のポイントですが、
障害者自立支援法では(基本理念)というものがありませんでしたが、
障害者総合支援法では(基本理念)が加えられました。
(基本理念)とは、
「土台となる根本的な考え方、指針」です。
障害者総合支援法の
第1条の2に(基本理念)が加えられています。
ちなみに第1条の1は(目的)です。
目的もわかったほうが障害者総合支援法を理解しやすくなると思いますので、
障害者総合支援法第1条の1と2を一緒に確認をしましょう。
わかりやすくするために、
かなりざっくり抜粋引用&勝手にごく一部変更しています。
まず第1条の1(目的)です。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律
(目的)第一条1
この法律は、障害者と障害児が基本的人権を受け取り個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
抜粋引用以上です。
障害者総合支援法の目的は、ざっくり言えば、
障害者と障害児が基本的人権の権利を受け取り
尊厳を保持して日常生活、社会生活ができるように
必要な支援を行い、障害の有無にかかわらず
国民がお互いを尊重して安心して暮らせるようにする
ということになります。
次に、基本理念の確認です。
わかりやすくするために、
かなりざっくり抜粋引用&勝手にごく一部変更しています。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律
(基本理念)第一条の2
障害者と障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、国民が障害の有無にかかわらず、基本的人権を受け取る個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、尊重し合いながら共生する社会を実現するため、障害者や障害児が必要な支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること及び選択の機会が確保され、他の人々と共生することを妨げられないこと並びに障壁となるようなものの除去に資することを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない。
抜粋引用以上です。
障害者総合支援法の基本理念は、ざっくり言えば、
障害者と障害児の支援は、障害の有無にかかわらず、尊重し合いながら、障害者や障害児が必要な支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されて、生活についての選択の機会が確保されて、他の人々と共生することを妨げられないことや日常生活や社会生活を営む上で障壁となるようなものを取り除くことを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない。
ということになります。
ざっくり一言で言ってしまえば、
障害の有無にかかわらず、社会参加や生活についての選択の機会が確保される「共生社会」を目指す方向性が示されたと言えます。
○障害者の定義の拡大
○障害者の定義の拡大
厚生労働省の
「障害者総合支援法の対象となる難病等の範囲について」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/hani/dl/index-01.pdf
で確認をすると、
平成25年4月から、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に定める障害児・者の対象に、難病等が加わり、障害福祉サービス、相談支援等の対象となる。
と記載されています。
対象者についてもう少し詳しく最新の過去問
(2021年(令和3年)第33回の過去問 問題14)
で一緒に確認をしていきます。
「障害者総合支援法」の障害者の定義に関する次の記述のうち、
適切なものを1つ選びなさい。
1 18歳以上の者である。
2 65歳未満の者である。
3 難病患者は除外されている。
4 発達障害者は除外されている。
5 精神作用物質による依存症の者は除外されている。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
答えから言ってしまいますが、正解は1です。
この答えのエビデンス(根拠)ですが、
障害者総合支援法の第四条1で一緒に確認をします。
障害者総合支援法 第四条1
この法律において「障害者」とは、身体障害者、知的障害者のうち十八歳以上である者及び精神障害者(発達障害者を含み、知的障害者を除く。以下「精神障害者」という。)のうち十八歳以上である者並びに治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者であって十八歳以上であるものをいう。
抜粋引用以上です。
それを踏まえてもう一度問題と選択肢を確認します。
問題:「障害者総合支援法」の障害者の定義に関する次の記述のうち、
適切なものを1つ選びなさい。
1 18歳以上の者である。
○です。
18歳以上の者です。
2 65歳未満の者である。
✖です。
繰り返しますが18歳以上の者です。
3 難病患者は除外されている。
✖です。
「治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病」とありましたが、
それがつまり難病のこととなります。
4 発達障害者は除外されている。
✖です。
発達障害者も含みます。
5 精神作用物質による依存症の者は除外されている。
✖です。
「精神作用物質による依存症の者」とは「精神障害者」になります。
なので、障害者総合支援法の障害者の定義に当てはまります。
○障害程度区分から障害支援区分へ
○障害程度区分から障害支援区分へ
3つめのポイントは「障害程度区分から障害支援区分へ」となっております。
障害程度区分 → 障害支援区分
(障害者自立支援法) (障害者総合支援法)
厚生労働省の
【障害者総合支援法における「障害支援区分」への見直し】
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/other/dl/140121_01.pdf
では「障害者程度区分」と「障害者支援区分」の定義をこのように記載しています。
名称:障害程度区分
定義:障害者等に対する障害福祉サービスの必要性を明らかにするため当該障害者等の心身の状態を総合的に示すもの。
名称:障害支援区分
定義:障害者等の障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すもの。
障害程度区分が、「心身の状態」を示すものに対し、
障害支援区分は、「支援の度合」を示すものと記載されています。
つまり、
平成24年の改正によって、「障害程度区分」は、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示す「障害支援区分」に改められた。
ということになります。
ざっくり一言で言ってしまえば、
「できるできない」で区分をしていたのが、
「生活環境を踏まえてどのような支援をどの程度必要とするのか」で
区分するようになったということです。
障害支援区分について最新の過去問
(2021年(令和3年)第33回の過去問 問題15)
で一緒に確認をしていきます。
問題:「障害者総合支援法」のサービスを利用するための障害支援区分を判定する組織として、正しいものを1つ選びなさい。
1 身体障害者更生相談所
2 協議会
3 基幹相談支援センター
4 居宅介護事業所
5 市町村審査会
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
答えは5です。
厚生労働省のHP
【障害者総合支援法における「障害支援区分」の概要】
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/1_26.pdf
で確認をします。
障害支援区分の判定は、
ざっくり一次判定と二次判定で
認定されます。
一次判定は「コンピュータ判定」で
二次判定は、市町村が設置している「市町村審査会」で判定がされます。
かなりざっくりですが、
障害支援区分の流れをみていきます。
障害福祉サービスの利用を希望する障害者は、
「市町村に申請」します。
↓
「一次判定、二次判定で障害者支援区分」が決定します。
障害支援区分の認定結果は、
非該当、障害支援区分1から~障害支援区分6までの7段階です。
非該当
障害支援区分1
障害支援区分2
障害支援区分3
障害支援区分4
障害支援区分5
障害支援区分6
必要とされる支援の度合いの区分となります。
上の非該当が1番低くて
下の区分6が1番高いということになります。
障害者総合支援は、ざっくり
・自立支援給付と
・地域生活支援事業
の2つで構成されています。
「自立支援給付」は、全国一律で基本的には1割負担です。(生活保護等は全額給付)
「地域生活支援事業」は、住んでいる地域によってサービスが異なります。
詳細までは、今回は割愛します。
○重度訪問介護の対象者を拡大
○重度訪問介護の対象者を拡大
4つめのポイントは
「重度訪問介護の対象者を拡大」です。
重度訪問介護とはなんぞやということを
ワムネットの「重度訪問介護」というページ
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/syogai/handbook/service/c078-p02-02-Shogai-08.html
で確認をします。
重度訪問介護
重い障害のある方の地域生活をサポートするサービス
重度の肢体不自由または重度の知的障害もしくは精神障害があり常に介護を必要とする方に対して、ホームヘルパーが自宅を訪問し、入浴、排せつ、食事などの介護、調理、洗濯、掃除などの家事、生活等に関する相談や助言など、生活全般にわたる援助や外出時における移動中の介護を総合的に行います。
このサービスでは、生活全般について介護サービスを手厚く提供することで、常に介護が必要な重い障害がある方でも、在宅での生活が続けられるように支援します。
引用以上です。
ざっくり一言で言えば、
重度訪問介護とは、
重度の身体障害者、知的障害者、精神障害者の方に
訪問介護を行うサービス
と言えます。
障害者自立支援法では、
「重度訪問介護」の利用対象者が、
「重度の肢体不自由者のみ」でした。
それが、
障害者総合支援法になってからは、
身体障害者に加えて知的障害者、
精神障害者にも対象が拡大されています。
重度訪問介護の利用対象者については、もう少し詳しく説明すると、
○重度の肢体不自由または重度の知的障害もしくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって常時介護を要する方
○障害支援区分が区分4以上であって、次の(1)、(2)のいずれかに該当する方
となっています。
(1)(2)については、今回は割愛します。
重度訪問介護があって重度じゃない訪問介護はないのかよ?
と思うかもしれませんが、
居宅介護(ホームヘルプ)というサービスがあります。
居宅介護(ホームヘルプ)は、
自宅で、入浴、排せつ、食事の介護等を行うサービス
となります。
障害者総合支援は、
ざっくり大きく
「自立支援給付」と「地域生活支援事業」に分かれます。
居宅介護(ホームヘルプ)も
重度訪問介護も
「自立支援給付」の中の「介護給付」となります。
障害者自立支援法から障害者総合支援法への改善点、
最新の過去問から、
「障害者総合支援法の障害者の定義」
「障害支援区分を判定する組織」
などなどを学んできました。
今回の勉強はこれで以上です。
ということで、
今回もあなたの特別な時間を頂き
一緒に学べて最高でした。
ありがとうございます。